こだわりの地元工務店での『作家のてしごと展』

琥珀

2018年06月07日 00:02

琥珀です。



現在いろいろな所で展示会を開催中ですが、
その中のひとつ、久留米の地元密着のこだわりの工務店「未来工房」での
展示会のご紹介です。


『作家の手しごと展』というタイトルで、
作家仲間のCreachair(クリーチェア)の加藤さんと一緒に展示しております。
2018年5月17日(木)~6月18日(月)

心をじっと とぎ澄ましながら
要らないものを そぎ落とす作業をする。
そして、咀しゃくしても、まだ呑みこめなくてもう一度。
心の在り様までも 繰り続けている。
葛藤の末、産み落とされた様々な作品たち。
その製作を続ける人、作家の生き方とは。

吹きガラス工房琥珀(嘉麻市)
作家:斉藤 達也

Creachair(福津市)
作家:加藤 将輝





こだわりのベテラン大工、職人がいる工務店での、『職人展』です。
ちょっと萎縮してしまいます、が・・・。

ですが、キャリアの差はあれ、素材の違いはあれ、こだわりは負けてないつもりです。



そのこだわりがいい形でぶつかったなと思ったのが、
この『作家の手しごと展』の準備においてです。


その『作家の手しごと展』で紹介文を作りたいからと、
開催前に工房まで来られて、いろいろと話を聞かれました。
今までテレビや新聞、雑誌などいろいろ取材も受けてきましたが、
そのプロの取材よりも、より深く、刺激のある話となりました。
何だかドキュメンタリー並みのものでした。
(あっ、ドキュメンタリーの取材経験はありません・・・)

複線の話にも突っ込んで聞かれ、
そうなると止まらなくなる自分を制することもなく
いろいろ語る時間は数時間に及んだと思います。

それを経て出来上がった文章です。
私自身とても気に入っているので、紹介させていただきます。




「ガラスは、割れる。
  モノは、壊れる。」 

お金を出して、金額が高かったから、いいものである。
高いから、大事にする、というのは、違うと思う。
例えば、大事なグラスを、10年間一度も使わずに、
食器棚で眠らせておくよりも、
365日使って1年間で割れてしまったとしても、
十分、金銭的価値以上の役割は果たしたといえる。
どんなものにでも、出来上がるまでに、いろんな
工程があって、価値があるということを知れば、
おのずと大事にしようとする心がうまれてくる。
欠けたものは、また、ここで削って、磨きをかけて、
メンテナンスをすることもできる。壊れたときに簡単に捨てるのでなく、
ああ残念だ、という気持ちになるような、モノ作りを続けていきたいと思う。




「エコだから、
こだわっているわけではない。」

戦後、モノがない時代に、本来捨てられるはずの、
廃棄品となる瓶を集めて、ガラスをつくり、売りに行った時代。
当時は、「エコ」や「リサイクル」など、きれいな言葉は
存在しなかった。
廃棄品からモノを作るなんて、と、批判を浴びて、
差別的な扱いを受けた存在でもあった。
それでも、それしか材料がないため、職人たちは、
努力を続け、想いを貫いて、つくり続けた。
「エコ」とは、このモノが溢れる時代に、社会が作り
出した概念に過ぎない。
再生ガラスの原点は、当時の人々の「知恵」なのだと思う。
時代を乗り越えてきた人々の「知恵」や生き様を、
伝える義務があると思い、日々、作り続けている。



ガラスに対する想いやこだわりがきちんと伝わっているなと感じる文章で
とても気に入っています。

ただ単純に「モノ」だけで魅力を伝えるというのもすごいことだと思う。
そして自分にはそればできないし、向かないと思う。
この「想い」「こだわり」を含めて、作品に興味もち、使っていただけたらと思う。

それが、吹きガラス工房琥珀のスタイルなのだから。


ぜひ、それをご覧ください。




未来工房  やかまし村のギャラリー

https://www.mirai-kohboh.co.jp/

住所     〒830-0047 福岡県久留米市津福本町834-4
アクセス   西鉄大牟田線「津福駅」より徒歩10分
       九州自動車道「久留米インター」より車で15分
休館日    火曜日・水曜日・年末年始
営業時間  10時〜17時
駐車場    12台


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